1.財産分与の意義
離婚時に夫婦の一方は、他方に対して、預貯金、不動産等について、財産分与の請求ができ、これには、(1)(財産関係の)清算的要素(2)(過去の婚姻費用の)清算的要素(3)扶養的要素(4)慰謝料的要素があります。
(1)(財産関係の)清算的要素
婚姻中に取得した共有名義の共有財産及び一方だけの名義になっているものの夫婦が協力して取得した実質的共有財産の二つについて、離婚時に清算するものです。
(2)(過去の婚姻費用の)清算的要素
別居等により、未払いとなっている婚姻費用を財産分与の中に含めて清算することをいいます。
(3)扶養的要素
離婚に伴い、自活できない相手方に対して財産分与するものをいいます。
(4)慰謝料的要素
暴力行為等により離婚原因を作った相手方に精神的苦痛に対する慰謝料の請求を財産分与に含めて行うことをいいます。
2.離婚前の財産分与
財産分与は、離婚に伴って生ずる権利のため、離婚前に財産分与を請求することはできません。もし、離婚前に財産分与を行うと贈与として取り扱われます。
3.財産分与を請求できる期間
財産分与を請求できる期間(除斥期間)は、離婚時から2年以内とされています。
なお、この2年以内というのは、除斥期間であるため、時効と異なり、2年という期間が経過すれば、自動的に財産分与を請求できる権利が消滅します。